(A) 全体が鋼管強い水焼入れによりマルテンサイト変態停止温度(Mf点)以下に冷却されると、高確率で焼割れが発生します。
(B)焼割れ時の亀裂はほぼ鋼管軸方向に延びるため、亀裂を拡大させる主な力は周方向の引張応力であると考えられる。
(C) 上記の周方向の引張応力の発生源については、冷却過程で発生する肉厚方向の温度差(温度不均一)が外面側の馬れと、鋼管の内面側。変形のタイミングにズレがあります。
(D) 特に温度ムラが大きい(つまり内面側との温度差が大きい)冷却面付近では、脆性破壊による微小亀裂が発生しやすく、それが起点となりやすい亀裂が伸びる箇所。
(E) 亀裂は鋼管の端部を起点として進展する場合が多い。これは、自由表面を有する端部の応力増加係数が、それ以外の部分に比べて大きいためであると考えられる。
(F)水冷せずに冷却速度を抑えると、高炭素を含む低合金鋼やCr系ステンレス鋼では焼割れが発生しない。なお、炭素を多く含む低合金鋼では、鋭敏化を抑制して組織をベイナイト主体組織とすると焼割れが発生しなくなる。つまり、焼割れは多くの場合、自由表面を有する鋼管の端部に発生する亀裂を起点として発生すると考えられる。亀裂は、冷却によって引き起こされる微小亀裂の発達の結果として発生します。表面付近の冷却には、肉厚方向の温度ムラによる熱応力と、相変態応力による周方向の引張応力(以下、「応力」ともいう)が作用する。
(G) 水焼入れ時に焼割れが発生しやすい低合金鋼や中合金鋼からなる鋼管であっても、鋼管端部を水冷しなければ、十分なマルテン性を確保することができる。エンド以外の部分。体積比の冷却速度で水冷すれば、焼割れが発生せず安定して水焼入れが可能です。
(H)マルテンサイト系ステンレス鋼からなる鋼管に上記水焼入れ方法を適用すると、焼割れを生じることなく高性能を確保することができる。鋼管の外表面から水冷により焼入れする焼入れ方法であって、管端部は水冷せず、その他の部分の少なくとも一部を水冷することを特徴とする鋼管の焼入れ方法。パイプ端は水冷です。なお、上記「管端」とは、鋼管の両端を意味する。
投稿日時: 2023 年 11 月 17 日